- 福田:
- そもそも、事例コンテンツの良し悪しが全くわからないんですが、良くない事例コンテンツの共通点というか、“こういうのは良くない。”っていう例ってあるんですか?
- 入江:
- そうですね、よく見かけるのが“圧倒されるぐらい文字数が多く、しかも文字が小さい”といったものでしょうか。マーケティング担当者は、商品(またはサービス)の良いところをできるだけたくさんアピールしたいものです。だから、どうしても語りたい内容が多くなってしまう。でも気をつけないと、文字ばかりで読みにくい事例コンテンツになってしまうんです。
- 福田:
- せっかく作った事例コンテンツなのに・・・。それじゃあもったいないですね。
- 入江:
- 文章を読むにはそれなりの時間がかかります。なるべく読み手に苦痛を与えないよう、事例作成の際には注意したいポイントですね。
- 石橋:
- う~ん、じゃあ文字が少なければ少ないほどよい、ということになるんですか?
- 入江:
- いやいや、文字が少なければいい、というわけではないですよ。興味があれば文字が多くたって最後まで読む方もいらっしゃいますよね。図版ばかりだと何が言いたいのかわからない、なんてこともありますし。
- 石橋:
- 難しいですね・・・。少ないほうがいいのか、多いほうがいいのか・・・
- 入江:
- 読み手が一番知りたいのは、“何が、どのように変わったのか”というBefore&Afterです。大切なのは、いかにわかりやすく、Before&Afterを表現するかであり、文字数の多い少ないではありません。
時には、わかりやすくするために文字数がどうしても必要になるときがあります。
文字数が多くても、不快感を与えずに最後まで読んでもらう工夫が必要なんです。
- 福田:
- 先ほどのお話で、“最後まで読んでもらう工夫”とありましたが。具体的にはどのような工夫があるんですか?
- 入江:
- まず、読んでもらう前に、手に取ってもらわなければなりません。そのために必要なのはキャッチーなコピーです。
- 福田:
- なるほど・・・。
- 入江:
- 次に文章を作りますが、その際、無駄な部分はできるだけ省き、シンプルにします。
また、当然ですが文字と図版をどうレイアウトするかも重要です。読み手の嗜好を考慮の上、文字サイズや文字間隔に気を配り、文章と図版のバランスを整えるわけです。
- 石橋:
- へぇー、事例制作って簡単そうに聞こえて、実はいろんなことを考えて作らなきゃいけないんですね・・・。
- 入江:
- 文章の語り口も非常に重要です。読み手を引き込むような文章になるまで何度も推敲を重ねます。また、いろんな文体でライティングができるよう、複数のライターにアテンドできるのが理想的ですね。
- 福田:
- 複数のライター・・・、それは普通の企業さんにはなかなか難しくないですか?
- 入江:
- あはは(笑)。まぁ、だからKCCのような専門業者がいるわけですよ。
- 福田:
- あ、そうか・・・。
- 石橋:
- それでは次に、KCCの事例コンテンツ制作・活用についてお伺いしたいと思います。
まず最初に、具体的な作業の流れについて教えてください。 - 入江:
- はい。お客様からご発注いただいた後の流れは、(1)事前打ち合わせ、(2)取材骨子提出、(3)取材・撮影、(4)ライティング・原稿提出、(5)チェック・修正、(6)納品、といった感じです。納品まではだいたい1ヶ月半~2ヶ月くらいですね。
- 福田:
- 取材は何人くらいで行くのですか?また、どれくらいの時間がかかるのですか?
- 入江:
- ディレクターとして企画営業部員が1名、ライターが1名、カメラマンが1名の計3名のスタッフで取材に赴きます。取材に要する時間は1時間程度で、ユーザー様の社屋外観写真などの撮影を含めても2時間程度で概ね完了します。
- 福田:
- 事例コンテンツのアウトプットはどのようなものになるのですか?
- 入江:
- 以前は4ページのパンフレットが多かったのですが、最近は差し替えがききやすいペラのリーフレット形式が多いですね。
紙に印刷したようなものだけでなく、映像やWebコンテンツに仕上げる場合もあります。当社にはEWS(Extended Web Seminar)といったストリーミングセミナーのパッケージもあるため、この仕組みを使った事例映像の配信をご提案する場合もあります。 - 福田:
- ただ事例コンテンツを作るだけじゃなく、運用や活用の方法もしっかり考えなくちゃいけないんですね・・・。
- 石橋:
- 事例制作において、一番大変というか、気を遣うところってどんなところですか?
- 入江:
- そうですね、やはりライターとの調整部分でしょうか。“文章が難解”、“言い回しがくどい”、“社会背景の前提知識が薄い”、といったことのないように、細心の注意を払っています。
当社には、IT系など専門業種のクライアント様も多くいらっしゃいます。どんなにマニアックな業種の事例であっても魅力的な構成・文体にできるよう、事前調査やライターとの調整には力を入れています。
- 福田:
- 最後に、事例コンテンツ制作における、KCCのポリシーについて教えてください。
- 入江:
- 冒頭で、読み手が知りたいのは、「何が、どう変わったか。」ということだと説明しました。KCCではこのBefore&Afterをより効果的に伝えるために、“事例と併せて感動を伝える”ということを心掛けています。
- 福田:
- 感動、ですか・・・。
- 入江:
- 感動を伝えることは簡単ではありません。お客様の視点だけでなく、ユーザーの視点で、その商品・サービスを導入したら、何がどう変わるのか、どんな気持になるのかを探る“眼”が必要です。これは、トータルプロモーションを手掛け、お客様や商品・サービス、そしてユーザーのことを深く知るKCCだからこそできるワザですね。
- 石橋:
- ・・・。“感動を伝える”かぁ・・・、難しいなぁ・・・。
- 福田:
- 勉強しなくちゃならないことだらけみたい・・・。
- 入江:
- 2人ともがんばってくださいね!期待していますよ!
- 福田&石橋:
- はぁーい!