「SEOで上位表示ができているのに売り上げが上がりません。どうしてでしょうか。」と、こんな相談を受けることがよくあります。今回の特集コンテンツでは、事例のご紹介を交えながら、SEOだけでは売上げが上がらない理由と、売れるWEBサイトの秘訣についてご紹介します。
WEBサイトのみで営業活動をおこなう、ある通信販売会社で起こった実際のできごとです。
その企業はWEB以外での営業活動は全くおこなっていませんでした。そのため、マーケティング担当者は、『WEBサイトのアクセス数は売り上げに直結する重要な数字』と考え、戦略上重要な商品キーワードを増やしたり、htmlタグの使い方を工夫したりと、試行錯誤しながらSEO対策を始めました。
施工の開始から6か月、WEBサイトのアクセス数は徐々に伸びていったのですが・・・。
ある日のことです。
『アクセス解析によると、ページビュー数は伸びているが、売上げは同じように伸びない。どうしてか。』という相談を受けました。解析ツールのレポートを見てみたところ、たしかに商品ワード(施工ワード)検索からのアクセスが増えているものの、滞在時間の低下や直帰率の増大という現象も確認できました。売上げがUPしていないことはもちろん、これでは企業や商品の認知効果すら疑わしい状況です。これではSEO対策の費用ばかりがかさみ、回収は見込めそうにありません・・・。
某通信販売会社のアクセス・売上推移 (期間 2006年3月~2007年3月)
少し話は変わりますが、わかりやすく説明するために例話をしましょう。
あなたが家族や友人と旅行に出かけるとき、どうやって行き先を決めるのでしょうか?
恐らく、みんなでガイドブックを持ち寄ってページをめくったり、旅行サイトをわいわい見ながら、あれやこれやと考えることでしょう。もともとイメージしている行き先があるかもしれませんし、たまたま見つけた面白そうなところを選ぶかもしれません。いずれにせよ、交通手段が整っている土地(行きやすい土地)ということを理由に、場当たり的に旅行に出かけることはまずありえないかと思います。(そういう旅行が目的という場合もあるかもれませんがw)
もし、そんな理由で旅行先を決めてしまったら、旅行はどんなものになるでしょうか。
たまたま秘湯や隠れ家的スポットでも見つかれば話は別ですが、きっとあなたは『こんなはずじゃなかった・・・。』と、予定を繰り上げて家に帰ってしまうことでしょう。もしかしたら、お金を1円も使わずに帰ってくるかもしれません。
ウェブマーケティングのご担当者なら当然、普段からいろんなWEBサイトを利用していることでしょう。そのときあなたはどうやってWEBサイトを訪れ、訪れた先でどんな気持ちになって、商品を購入(あるいはお問い合わせ)するのでしょうか。数多のWEBサイトからひとつのWEBサイトを選び、商品を購入するにはそれなりの理由があるはずです。
まずは検索し、検索結果の最初の数ページの中から“自分が欲しいと思う情報と一番合致していると思われるタイトル・説明文”を含むリンクをクリックし、サイトを閲覧することでしょう。問題はその後です。実際に欲しい情報が得られず、商品に納得がいかなければ、ブラウザの戻るボタンをクリックするか、閉じるボタンをクリックしているのではないでしょうか。そうして何度も検索とサイト訪問を納得いくまで繰り返し、最も自分が魅力を感じた商品を購入するのではないでしょうか。
ユーザーはあくまで“WEBサイトで自分が欲する情報を入手し、納得して初めて商品を買う”ということを忘れてはいけません。
確かに、検索結果の最初の数ページに自社サイトが表示されることは集客上大変重要です。しかし、もうおわかりのとおり“集客数の向上=売上の向上”ではありません。集客と同じかそれ以上に、誘導したその先でどんな情報を与え、商品のよさをどう伝えるかということが重要であることを忘れないでください。
ユーザーを満足させる(ユーザーが欲しい情報を与え、商品の良さを伝える)コンテンツを作るためには、ユーザーニーズの把握が不可欠です。「訪問者アンケート」や「取引後アンケート」、「クレーム」などには当然のことながら目を通していることでしょう。しかしこれらを鵜呑みにすることはやめてください。これらは親切な“ユーザーの一部”にすぎませんし、必ずしもコンテンツ戦略を考える上での正解ではありません。
コンテンツ作りで重要なのは、お客様の見えない声に耳を傾けることです。いかにして見えない声を引き出すか、そこからどのようにしてコンテンツを作り込むかについては、次回のコラムにて紹介することにします。お楽しみに。
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